定期接種の実施時期 | 毎年度秋冬の期間に自治体ごとに実施 |
対象となる方 |
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詳しくは、厚生労働省のウェブサイトでご確認いただけます。
新型コロナワクチンについて
監修:国際医療福祉大学医学部感染症学講座 代表教授
国際医療福祉大学成田病院感染制御部 部長 松本哲哉先生
新型コロナワクチンの接種はインフルエンザワクチンと同様に、毎年度「秋冬の期間の定期接種」として実施されています。対象となる方は、65歳以上の方などです(詳しくは下記)。65歳以上の方は重症化するリスクが高いとされていることから1)、接種が推奨されています。定期接種の対象でない方は「任意接種」としてワクチンを接種することができます。個人の感染予防だけでなく、周りの人に感染を広げないためにも、日ごろからの感染対策に加えてワクチン接種を検討しましょう。
定期接種の実施時期 | 毎年度秋冬の期間に自治体ごとに実施 |
対象となる方 |
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詳しくは、厚生労働省のウェブサイトでご確認いただけます。
新型コロナワクチンについて
1)厚生労働省:第57回厚生科学審議会予防接種・ワクチン分科会 予防接種基本方針部会(2023年11月22日)資料1 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001169826.pdf 2025/9/24参照
02 インフルエンザとの違いは?
新型コロナの感染症法上の位置づけが「2類感染症」から「5類感染症」に移行したことで、 「今はもうインフルエンザと同じ」と考えている方もいらっしゃるでしょう。しかし、法律上でインフルエンザと同じ扱いになったからといって、まだまだ油断はできません。
初めて日本で新型コロナが確認された2020年以降、いずれの年もインフルエンザより新型コロナで亡くなる方が多いことが示されました。新型コロナで亡くなった方は2022年で47,638人、2023年で38,086人、2024年で35,865人であり、いずれの年も3万人を超えていました。一方、インフルエンザで亡くなった方は2022年で24人、2023年で1,383人、2024年で2,857人でした1)。
2025年1~4月の全死亡者数は12,830人で、このうち65歳以上の方が約97.6%(12,516人)を占めていました2)。

実際に、新型コロナは年齢が上がるほど重症化しやすいことがわかっています。重症化リスク※は、60代で約25倍、70代で約47倍、80代に至っては約71倍でした4)。
※:ここでは、新型コロナウイルス感染症と診断された方(無症状を含む)のうち、集中治療室での治療や人工呼吸器等による治療を行った方または死亡した方の割合(倍率)のことを「重症化リスク」としています。
日本人の死因についてみてみると、新型コロナは第8位でした1)。
日本人の主な死因(2024年)1)

感染後に長引く症状(後遺症)が残るおそれがある点も特徴的です。新型コロナに感染し、入院し、退院した方の約30%は、診断から1年(12ヵ月)経っても何らかの後遺症に悩まされていることが報告されました5)。
主な症状には、疲労感・倦怠感、睡眠障害、集中力低下などがあり、日常生活に支障が出ることもあります。後遺症についてはわかっていないことも多く、標準的な治療法も確立していないのが現状です6)。

「記憶障害」「集中力の低下」「頭がボーっとする」などの症状をきたす「ブレインフォグ(認知障害の一種)」がみられることがあります6)。気を付けたい後遺症の症状の1つです。

1)
厚生労働省:人口動態統計(確定数) より算出、作図 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html 2025/9/24参照
2)
厚生労働省:人口動態統計月報(概数)より算出 https://www.mhlw.go.jp/toukei/list/81-1a.html 2025/9/24参照
3)
厚生労働省:類型から探す(感染症法) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/sagasu_ruikei.html 2025/9/24参照
4)
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2023年4月版) より改変、作図 https://www.mhlw.go.jp/content/000927280.pdf 2025/9/24参照
5)
厚生労働省:厚生労働科学特別研究事業 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の長期合併症の実態把握と病態生理解明に向けた基盤研究 令和3年度 総括研究年度終了報告書 研究代表者 福永興壱 令和4(2022)年4月 より作図
https://mhlw-grants.niph.go.jp/project/145956 2025/9/24参照
6)
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 別冊 罹患後症状のマネジメント 第3.1版:5, 7, 12, 33, 2025
03 注意が必要な人は?
新型コロナは年齢が65歳以上であることに加えて、肥満、喫煙などの生活習慣、基礎疾患(持病)がある場合などでも重症化のリスクが高まることがわかっています。また、下記の重症化にかかわる項目のうち、複数の項目が当てはまる場合や持病の管理が良くない場合、重症化のリスクはさらに高まります1)。
1つでも当てはまる項目がある方は、万が一感染した場合に備え、取るべき行動についてかかりつけ医に相談してみてはいかがでしょうか?
新型コロナの重症化にかかわる項目1)
年齢 |
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体型 |
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生活習慣 |
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基礎疾患(持病) | 以下のような持病や既往歴がある
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薬 |
|
妊娠 |
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上記に加えて、男性は女性に比べて重症化や死亡のリスクが高いことが報告されています。
BMI:体格指数 [計算]BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
COPD:慢性閉塞性肺疾患、HIV:ヒト免疫不全ウイルス
1)
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第10.1版:9, 26, 2024
04 予防策は?
新型コロナにできるだけかからないようにするためには、引き続き日ごろからの感染対策が重要です。ご自身の感染を防ぎ、周囲の人を守るために、感染防止の「5つの基本」1)を参考に、感染対策を続けましょう。





1)
厚生労働省:第118回新型コロナウイルス感染症対策アドバイザリーボード(令和5年3月8日)資料3-9 https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001069238.pdf 2025/9/24参照
05 感染したらどうする?
新型コロナウイルス感染症は、重症化リスクの有無によって適切な対処法が異なります。万が一感染した場合に備えて、あらかじめご自身やご家族の重症化リスクの有無について確認しておきましょう。
症状が出たら早めに検査を受け、陽性と判明したら速やかに抗ウイルス薬などを用いた治療を開始することにより、重症化を防ぐ効果が示唆されています1)。重症化リスクの高い方は、疑わしい症状が出たら躊躇せず、早めに医療機関を受診し、陽性だった場合には適切な治療を受けることをお勧めします。
●
重症化リスクの高い方
(高齢者・基礎疾患のある方など)
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症状がつらい方
まずは医療機関に連絡してください。かかりつけ医がいる場合は、かかりつけ医にご相談ください。陽性だった場合、医師の判断により入院または自宅療養となります。
●
重症化リスクの低い方
(高齢でない、基礎疾患を有さない方など)
●
症状が軽い方
国が承認した検査キット(新型コロナ抗原定性キット)を用いて自己検査を行ってください。陽性だった場合、自宅療養となります。陰性だった場合でも、症状がある場合はマスクを着用し、手洗いなどの基本的な感染予防対策を行いましょう。


新型コロナ抗原定性キットや解熱鎮痛薬、医療機関の連絡先2)を事前に準備しておくと安心です。体調が悪くなった場合に備えて、準備しておきましょう。
新型コロナ抗原定性キット
あくまで個人の判断となりますが、発症日を0日目として翌日から5日間は外出を控えるようにしましょう。発熱やのどの痛みなどの症状が軽くなった場合でも、軽くなってから24時間経過するまでは外出を控え、様子を見ることが推奨されています。また、発症後10日が経過するまでは、マスクの着用や、高齢者や基礎疾患のある方などとの接触を控えるなど、周りにうつさないよう配慮しましょう。その後も咳やくしゃみなどの症状が続く場合は、マスクの着用などの咳エチケットを心がけるようにしてください3)。
療養期間の行動について(例)3)

重症化リスクがなく、軽症の場合は、必要に応じてご自身で解熱鎮痛薬を服用してください。
市販の解熱鎮痛薬の選び方4)
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使用する薬は、薬局・ドラッグストア等の薬剤師に相談し、自分の症状や体質に合ったものを選びましょう。
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特に、以前に薬でアレルギーやぜんそくが起きたことがある方、医療機関で処方された薬を服用中の方、妊娠している方、お子さんの薬を探している方は、購入の際必ず薬剤師に相談するようにしてください。
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解熱鎮痛薬を飲むときは、他の解熱鎮痛薬や風邪薬と併用しないでください。解熱鎮痛薬や風邪薬には同じ効果をもつ成分が含まれているため、併用すると安全な量より多く飲むことになってしまい、危険です。

新型コロナに感染した方の濃厚接触者であっても、行動が制限されることはありません。濃厚接触者であることを特定されることもありません。
ご家族が感染した時の対処法5)
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ご家族や同居されている方が新型コロナにかかった場合は、可能であれば部屋を分け、感染されたご家族のお世話はできるだけ限られた方で行うよう注意してください。この際、心臓、肺、肝臓に持病のある方、糖尿病の方、免疫の低下がみられる方、妊婦の方は、感染した時の重症化リスクが高いため、感染した方のお世話をするのは避けてください。
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新型コロナにかかった方の発症日を0日として、特に翌日から5日間はご自身の体調に注意してください。7日目までは発症する可能性があります。
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外出の制限はありませんが、外出する際は人混みを避け、マスクを着用しましょう。また、高齢者や重症化リスクのある方との接触は控えるなど配慮しましょう。
1)
厚生労働省:新型コロナウイルス感染症(COVID-19)診療の手引き 第10.1版:26, 42, 2024
2)
厚生労働省:5月8日以降も感染拡大に備え 体調に異変を感じたら https://www.mhlw.go.jp/content/001092713.pdf 2025/9/24参照
3)
厚生労働省:新型コロナウイルス 療養に関するQ&A https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/001093929.pdf 2025/9/24参照
4)
厚生労働省:市販の解熱鎮痛薬の選び方 https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000121431_00404.html 2025/9/24参照
5)
厚生労働省:家族が新型コロナウイルスに感染した時のポイント より改変 https://www.mhlw.go.jp/content/001093683.pdf 2025/9/24参照
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